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消費税が課税される取引き、非課税とされる取引きについて

消費税は、ものやサービスが消費されたときに課税される税金ですが、すべてのものやサービスに課されるというわけではなく、消費税が課税される取引きは「課税資産の譲渡等」と呼ばれる取引きに限定されています。
「消費税の課税される取引き」=「課税資産の譲渡等」
(※便宜上「輸入取引き」「輸出免税取引き」は除外して解説しています)
ここでいう「資産の譲渡等」とは、以下の3つのいずれかをいいます。
1)資産の譲渡(商品・製品の販売など)
2)資産の貸付け(アパートや店舗の賃貸、自動車のレンタルなど)
3)役務の提供(清掃代行手数料、家庭教師の日当、弁護士の相談料など)
そして、これらのうち、「消費」という概念にそぐわない取引きや、社会通念上課税すべきでないとされる取引きを「非課税取引き」として定めており、消費税を課税しないこととしています。
上記のように、「資産の譲渡等」から「非課税取引き」を除いた取引きのことを「課税資産の譲渡等」と呼びます。
「資産の譲渡等」–「非課税取引き」=「課税資産の譲渡等」
つまり、どの取引きに課税するかという具体的な取引きを指定しているのではなく、「資産の譲渡」「資産の貸付け」「役務の提供」の全体のうちから「非課税取引き」を限定して抜き出すかたちで課税しているということになります。
ですので、以下は「どのような取引きが非課税取引きなのか」をご紹介したいと思います。
■消費税が「非課税」とされる取引き
(1)土地の譲渡・貸付け
…土地についての考え方はいたって単純です。
土地は「消費」されるものではないから、という理由がすべてです。
土地というのは「資産」に当たりますが、通常の資産、例えば建物を売買した場合には、購入者が建物を利用すれば建物は劣化しますので、これをもって「消費」と考えます。が、土地の場合、売買されようが賃貸借されようが、土地は土地のまま価値を保っており、「消費」されないことから、消費税は非課税扱いとなっています。
(2)有価証券の譲渡
…有価証券についても、土地と同様に「消費」という概念にそぐわないため、消費税は非課税となっています。
(3)紙幣や硬貨、小切手などの譲渡
…これはいわゆる両替や小切手、約束手形などの売買です。これも「消費」ではないとの判断です。
ちなみに、それらの物品が「収集品」として売買される時は、「非課税」ではなく「課税取引き」となります。
(4)預貯金・貸付金の利子や保険料
(5)切手、収入印紙の譲渡
(6)商品券などの物品切手の譲渡
(7)国や地方公共団体が行う行政手数料など
(8)外国為替業務の手数料など
…上記(8)までが、おおむね「消費」という概念にそぐわないことから「非課税取引き」とされています。
(9)社会保険医療費
…医療関連は、やはり社会政策的な配慮から「非課税」とされています。ただし、美容整形や、入院時の差額ベッドの料金、市販薬の購入費用などは「非課税」対象外となります。
(10)介護保険サービス料
…こちらも社会政策的な配慮によるものです。また、こちらも個人的な送り迎えの費用や、特別な個室の手配費用などは「非課税」とはなりません。
(11)社会福祉事業等のサービス料
(12)助産にかかる費用
…医師や助産師などによるサービス料です。
(13)火葬料、埋葬料
(14)身体障害者用物品の譲渡、貸付け費用
…身体障害者用物品とは、車椅子、義肢、義眼などです。これらの売買や貸付けや修理などが「非課税」とされています。
(15)学校教育関連費用(学費)
(16)教科書代金
(17)住宅の貸付け料(貸付け期間が1ヵ月未満のものを除く)
…以上(9)~(17)が、医療や社会福祉、教育などに関する社会政策上の配慮から「非課税」とされている取引きとなります。
なお、この度の消費税率増加に伴う消費税法の改正では、上記の規定には何も変化はなく、従来通りとなっています。
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